イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
ふたりで店を出て、とりあえず近くにあるコーヒーショップへと入った。
ドアを開けるときも、メニューから商品を選ぶ時も、白臣はごく自然に遠子の腰のあたりに手をのせる。
別にそんなつもりはなくても、大事にされている感じがして、ちょっぴりときめいてしまうのはここだけの話だ。
直倫はイタリアにいたのでまったく会っていないが、白臣は今年だとお正月から合わせて、数回、顔を合わせている。
「シロちゃんはイタリアから帰ってきて、余計王子様になったよね」
「そうかな? あんまり自覚ないけど……」
「無自覚は罪だよ、シロちゃん。女子社員さんをたくさん泣かせてそう」
窓際の席で、期間限定激アマなフラペチーノを飲む遠子を見て、本日のコーヒーを飲む白臣は苦笑する。
「お前が言うほどモテないよ」
「はいはい、そういうことにしておいてあげます」
遠子はふうっとため息を吐くと、ふたりが座っている小さな丸テーブルに身を乗り出すようにして顔を近づけた。
「シロちゃん、聞いてるよね、私と直倫のこと」
「ああ、もちろん。俺としてはやっとかーって――」
「なかったことにしたいの!」
「えっ!?」