イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
「――中学に上がる前だっけ」
さすが白臣だ。
確かにあの場にいたが、まさか覚えているとは思わなかった。ビックリして遠子は目を丸くした。
「覚えてたの?」
「そりゃあ……あのあと、遠子三日三晩寝込んだじゃないか。覚えてるよ」
「そっか……でも、虐めたほうはこういうの覚えてないんだから。最低だよ……」
女の子に向かってブスなんて言っていいはずがない。
子どもだったと言われても、納得できない。
全てがあのせいだとは言いたくないが、あの一言で遠子の人生は大きく変わってしまったのだから。
涙がじわりと遠子の目に浮かぶ。
「……」
白臣はどこか困ったように、それでも遠子を励ますように微笑んだ。
「遠子……」
カップを置いて、手を伸ばす。
そして遠子の大きな目から零れ落ちる涙を指で拭った。
「わかったよ。嫌なことを思い出させてごめんね」
「っ……ううん、私こそごめん……泣いたりして……」
遠子はバッグからハンカチを取り出し涙を拭いた。