イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
「でも、その……全部が全部悪かったわけじゃないよ……学校も、仕事も辞めちゃったけど、楽しかったし……」
「優しいね、遠子は」
「そんなことないよ……結構根に持つタイプだよ……」
泣いてしまった気まずさから、遠子はアハハ、と笑う。
それに本当に――あんなことを言われなければ、そのまま通っていた私立の大学まで出ていただろうし、社会に出ようという気にもならず、適当にお見合いでもして結婚していたかもしれない。
だから直倫のことを恨んでいるわけではない。
小学生の延長で、「嫌い!」と言っているだけなのは、自分でもわかっていた。
「――っていうか、彼氏でも作ればいいのかな」
「え?」
「そうだ。なんで気が付かなかったんだろう……!」
遠子はものすごい名案を思い付いたと言わんばかりに両手で口元を覆った。
そもそもの発端は、引きこもり遠子の意識改善なのだから、自分が変わろうとさえすれば、別に相手が直倫でなくてもいいはずだ。
「そうだ、シロちゃんちょっと感じのいい人紹介して」
「はぁ!?」
白臣が驚いたように声を上げた。