イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~
「槇くんだ!」
「えっ、遠子なんで抱っこされてるの??」
「イタリアからいつ帰ってきてたんだ?」
ワァワァと盛り上がっているのに、とうの直倫はいたってクールに、苦笑している白臣を見下ろした。
男としてはまるで雰囲気が違うふたりだが、目元はよく似ている。
探りあうような視線をバチバチと戦わせた後、白臣は肩をすくめた。
「ただの食事会だよ」
「あっそ……」
兄と、これ以上のやり取りは不毛と感じたのか、直倫はくるりと踵を返す。
「えっ、ちょっと、直倫おろしてよっ!」
「騒ぐなよ。ほかの客の迷惑になる」
「うっ……」
ただでさえお姫様抱っこで目立っているのに、迷惑と言われればつい文句を飲み込んでしまう。
結局、「公開告白?」だとか「三角関係のもつれ?」ななどと面白おかしくもてはやされてる中の、退場となってしまった。
(さ、さ、さ、最低だーっ!!!!)