僕に、恋してみたら?


「…………」

「殴れ、俺のこと」自分の頬を指さす柳くん。

「や、やだよ、そんなの。暴力反対!」

「いいんだ。そうでもなきゃ、俺の気が晴れない」

「殴っても、わたしはスカッとしないから」

「そうか……」

顎に手をあてて左上を見上げて少し考えごとをしたかと思うと、

「なら、なんでもいうこと聞いてやる。いや、聞かせてくれ!」
と目をみていわれた。


「もう、そこまで怒ってない……から。大丈夫」


そのあとにした、水上先輩とのキスのことばかり覚えている――なんてことは、いえないけれど。


「……よかった」
柳くんが、優しく笑う。

その表情から安堵が伝わってくる。


「茉帆がまた、こうして話してくれてよかった」


柳くん……。


「もう、いきなりあんなことは……やめてね?」

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