僕に、恋してみたら?



 *


「一緒にご飯食べよ」

「更衣室行くよー」


翌日から、わたしは吉田さんのグループからやたらと声をかけられるようになった。

クラスでもひときわ目立つ、派手な身なりをしている彼女たち。

勉強や部活より、お洒落や男の子に興味津々な集団とでもいおうか。

噂話大好き。先輩の話も、たいてい吉田さんグループがしているのを耳にする気がする。


アクティブな雰囲気がぷんぷん漂うそこに、引きこもり気質なわたしが加わるのは、違和感しかない。

「なぜ?」という疑問が常に心の中にあったけれど、帰り道に柳くんから話を聞いて納得した。


「そうそう。俺から吉田のグループに、『学祭うまくいくといいな』って声をかけておいたんだ。そしたら『結城さんのサポートは、あたしに任せて!』って吉田が張り切ってた。あいつ、案外熱血なんだな」


なるほど。つまりは、吉田さんたち3人が協力的になるように、柳くんがうまく誘導したんだね。

しかし吉田さん……。柳くんのためならわたしを立派なアリスに育てる気満々なようで。


「今度、吉田さんがアリス風メイク教えてくれるって」

「へぇ。どんな風になるか想像つかないな」

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