僕に、恋してみたら?
柳くんは、気づいていないのかな。
吉田さんの気持ちに。
いや……柳くんなら、柳くんの前でだけあんなに態度が豹変する吉田さんを見れば、すぐにわかりそうなものだ。
それでも、こんなに普通にしていられるのかな。
「……どうした?」
「あ、ううん。わたしも想像つかないや、自分がアリスなんて」
アリスってことは、おとぎ話風にイメージしたメイクってことだろうか。
「メイクのことは、よくわからないけど。衣装なら似合いそうだよな」
「そう?」
「あぁ。土曜、可愛い服着てたろ。あの路線は茉帆にドンピシャだと思うよ」
「ほんとに!?」
お姉ちゃんにまた貸してもらおうかな……。
「俺もしてもらおうかな」
「フリフリのドレスの着付け!?」
「ちげぇよ。メイクの方」
び、ビックリした。
柳くんは、白ウサギをすることになったわけで。
白ウサギ風メイクということは……。
「白塗り……」
「誰がそこまでやるって言った?」
「柳くんが白ウサギでラスボスで白塗りとか、ヤバいよ」
勝手な妄想がツボに入り、笑わずにはいられない。
「どんなやつ想像してるんだよお前」
「白タイツも着ちゃう?」
「男子高校生が白塗り白タイツでウサ耳とか、完全に黒歴史だろ」