僕に、恋してみたら?


「いや、違うんだ。あの生地は、僕の友達が特別に安く譲ってくれた。足らない分は、僕の身体で返すって約束で」

「か、カラダ……!?」


ど、どういうこと?


「学祭当日、働いてくれってさ」

「……!! それで、執事やったの?」

「大正解」


つまり、あの生地に足りなかったお金の分、桃惟が執事になって稼いできてくれたんだ。


「ごめんね……わたし達のために……」

「容易いご用だよ」


ありがとう、桃惟……。

全然知らなかった。言ってくれればよかったのに。


「お釣りが出るくらい働いてきたんだ。借りどころか、貸しを作ってきたよ。またなにかあったら、あいつには無茶なこと頼んでやろう」

ニヤッと笑いながらそんなことを言って、満足そうにしている桃惟。


「なにからなにまで……ごめんね。ほんとに、ありがとう」

「気にしないで」

「感謝してもしきれないよ」

「いいんだよ、このくらい」

「でも……」

「だって、茉帆のためだから」


――!


「言ったよね。僕は、茉帆には何でもしてあげたいって」

「桃惟……」

「おいで、ファスナーあけてあげる」

「ありがとう……! でも、ここで……着替えるの?」

「誰も来やしないよ。心配なら、鍵かけておけば?」

「…………」


ガチャッと扉に鍵をかけ、桃惟のそばにいく。


「うしろ向いて」

「うんっ」

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