僕に、恋してみたら?


「あたし……桃惟とは、別れる」

驚くほど素直にそんな言葉が口から出てきた。

「……だから、こういうことは、別れるまで待って」

「待てない」

そういって、あたしをベッドに押し倒す結惟。


もう、どうしようもなかった。

あたしも結惟が欲しくてたまらなかった。


「素直になれよ」

「でも」

「黙って俺に抱かれろ」


そんな傲慢なところまでも、愛しいと思えた。



それから、数日後。


「もう、菜帆とは付き合えない」


桃惟からフラれた。


ごめんなさい。


あたしから、伝えるべきだった。


なのに、桃惟に言わせてしまった。


あたしは、大切な人を……傷つけてしまった。


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