僕に、恋してみたら?



 *



季節は流れ。

高3の、初夏。


「僕、茉帆ちゃんと付き合うことになった」


放課後。

桃惟があたしに、そんなことを言いにやって来た。


「菜帆へのあてつけとか、そんなつもりはないから」


わかってる。


「ちゃんと、大切にするから」


わかってるよ。


家に茉帆を迎えにきた桃惟は、とても優しく笑っていた。


あんな顔して笑う桃惟、あたしは知らない……。


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