僕に、恋してみたら?


「……屋上」

「いつ」

「昼休みだよ。また会おうって、言ってくれたから」

「駄目。わたしから水上くんに、行けないって言っておくから」

「…………」

「わかった?」

「……うん、わかったよ」

「よかった」

そういうと、お姉ちゃんは、笑ってくれた。

どこか、わたしの知らない人のように見えたお姉ちゃんが、いつものお姉ちゃんに戻った。

その安心と同時に、

「ほら、茉帆。エクササイズ終わったなら、お風呂入ってきな」

「うん……」

その夜は、ひとときも、水上先輩のことが忘れられなかった。

もう一度、会いたいと思った。

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