僕に、恋してみたら?
目を見開いて、わたしを凝視するお姉ちゃん。
そんなに驚かなくてよくない?
「会ったんだね?」
お姉ちゃんの問いかけに、コクンと頭を縦に振る。
「変なこと、されなかった?」
「変なこと?」
「あの人、手が早いから」
「や……やだなぁ。わたしみたいな子供には、なにもしてこないよ」
ちょっと、じゃれられたけれど。子犬みたいに。
でもそんな、お姉ちゃんが心配するようなことは、なにもない。
むしろ、
『ムラムラしない』
『エッチな頼みはきかない』
と、おすみつきだ。
わたしだって、そんな関係になるのは想像もできないし望んでいない。
「もう会っちゃ駄目」
「……どうして?」
なにも答えないお姉ちゃん。
「会うくらい、いいよね。せっかく知り合いになれたのに、明日だって待ち合わせして……」
「待ち合わせ? どこに?」