ヨモスガラ、キミオモフ。
嬉しくて、嬉しくて。
ついそっけないことを言ってしまう。
「そうだったな、悪い」
申し訳なさそうにはにかむいっちゃん。
学校じゃ全然笑わないクセに。
皆にクール、クールって言われてるクセに。
私の前でだけ笑顔見せてくれるなんて、そんなのズルいよ。
「じゃ、じゃあ・・・そろそろ帰るね、いっちゃん・・・じゃなくて向坂先生」
「おう、気を付けて帰れよ」
「・・うん」
もう少し、いっちゃんと居たいけど。
彩ちゃん達を待たせてるし、何より私の心臓がもう持たない。
カバンを肩にかけ直して、少し急ぎ足で準備室を出る。
「じゃあね、いっちゃん」と小さく呟いて。