ガード
夜が明けた。

眠い目をこすりながら、いつものように髪をタイトなポニーテールにまとめる。

昨日はずっと翔とのLINEのことばかり考えていて寝られなかった。

翔はなぜそこまでして一般人になりたいのか?

そもそもなぜ彼は一般人じゃないのか?

この二つの疑問が頭から離れずひとりで、ああでもない、こうでもない、と考えていたのだ。

二度あっただけの人物なのに、相当重症だなと思い、今日も私は水浦一郎をボディーガードするために家を出る。

***


「華、お前ちょっとまずいぞ。何があった?」

「うーん・・・。」

あずさに指摘されるほど、私は昨夜のことについて考えていた。

もうこうなれば自らを否定することもできない。

重々しく口を開ける。


「あずさ、恋的なのしたことある?」
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