お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
優しい口調に、単純な私は簡単に騙されて素直に口を開いてしまう。
「男の子、だよ」
男の子、と口にした瞬間にピキリ、と浅野くんを纏う空気が凍ったような気がした。
そして、私も我に返る。
………待って!
男の子って言っちゃった……。
うわああ、私のバカ……。
「男?」
どうやら、空気が凍ったと感じたのは気のせいではなかったらしい。
浅野くんの声が、急激に冷たくなった。
私の背筋も、凍る。
………え、私、もしかして何か気に触ることを言ってしまったの?
「誰」
「へ……?」
上手く飲み込めない私に、浅野くんがもう一度訊く。
「誰のこと、見てたの?」