お前のこと、誰にも渡さないって決めた。

「それでも、誰よりもいちばん好きなの。翔太くんが、私じゃなきゃ意味がないって言ってくれたみたいに、私もみっくんじゃなきゃ意味がなくて」




もしも、また生まれ変わったって、
私はもう一度みっくんのことを好きになるんだと思う。



もう一度─────だけじゃなくて、何回でも。




「たとえ、どんなに苦くて苦しい恋だとしても、私の中ではずっとみっくんがいちばんで……。




だから、ごめんなさい。
翔太くんの気持ちには、応えられない」





言い終えて、バッと頭を下げた。


数秒……いや、数十秒の沈黙ののち、
頭の上から翔太くんの声が落ちてきた。




「……そっか、やっぱ光希には完全敗北だな〜」


「っ、」


「一か八かの賭けだったけど、結果は見えていたようなもんだし、」


仕方ないよ、と。





やけに明るい声。

きっと、私に気を遣わせないようにしてくれてるんだと思う。



私は下げていた頭をゆっくりと上げた。



すると、ぱちり、と視線が重なる。




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