あまりさんののっぴきならない事情
 室長が、
「さっきの文書、打ち終えたら、コピーをとって、支社長に目を通してもらってください」
と言ってきた。

「あ、はい。
 あまり、打ち終わった?」
と切り替えの早い秋月が訊いてくる。

 これのことか、と今、打っている画面を見た。

「終わりました」
と言うと、

「早いじゃない」
と言う。

 いやそりゃ、話しながらも、一応、手は動かしてましたからねー、と思っていると、
「刷り出す前に見せて」
と言って立ち上がりやってきた。

 刷ったあとミスが見つかったら、紙の無駄だからだろう。

 すっかり仕事モードに戻った秋月に、もしかして、ご隠居、今、助けてくれたのかな? と思う。

 チラと見たが、相変わらず、……寝ているのだろうか? という顔で黙々と仕事をされていた。






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