あまりさんののっぴきならない事情
 



 結局、あまりの居る時間に海里は戻って来ず、あまりは落ち着かない気持ちのままカフェに戻った。

 仕事で帰ってこなかったんだと思うけど……。

 いや、大崎さんのところにずっと居たとか。

 いやいや、海里さんに限って、仕事中にそんなことあるはずないし。

 うーん、と思いながら、ロッカーに頭をぶつけていると、
「あまり」
とアコーディオンカーテンの向こう、スタッフルームから成田の声がした。

 もう着替えていたので、はい、と顔を出す。

「昼、食べたか?
 まかない残ってるぞ」
と言ってくる。

「わあ、ありがとうございます。
 一応食べたんですけど、ちょっと食欲なくて」

 時計で時間を確認しながら、
「少し食べても大丈夫ですかね?」
と訊くと、

「今、空いてるから大丈夫だろ」
と言ってくる。

「では、素早くいただきます」
と残っていたスープを温めに行こうとすると、成田が、

「いいから座ってろ。
 あっちとこっちで疲れてるだろ」
と自分が温めてくれようとする。
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