あまりさんののっぴきならない事情
失礼します、と頭を下げていこうとすると、
「あまり」
と手招きされる。
はい? と戻ると、いきなり、腕を引かれ、キスされた。
……は? と思っていると、海里はもう仕事に戻っていて、こちらを見ずに、
「挨拶だ」
と言う。
そ、そうですか。
そうなのですか。
了解です……と思いながら、すすすすっと後ろ向きに下がっていき、
「失礼しました」
と海里と固まっている寺坂に頭を下げて、扉を閉めた。
今のは、成田さんとの間接キスになってしまうような、と思ったのだが、海里には言わなかった。
さっき、
「でも、今思えば、あのとき、あまりを行かさなかったら、あまりは海里と出会ってなかったわけだよね」
そう言われて、思わず、想像してしまった。
海里さんの居ない今の自分と、この先の未来を――。
全然想像できないな、と思う。
出会ってまだ一週間も経ってはいないと思うのに、海里さんの居ない未来も今も想像できない。
「あまり」
と手招きされる。
はい? と戻ると、いきなり、腕を引かれ、キスされた。
……は? と思っていると、海里はもう仕事に戻っていて、こちらを見ずに、
「挨拶だ」
と言う。
そ、そうですか。
そうなのですか。
了解です……と思いながら、すすすすっと後ろ向きに下がっていき、
「失礼しました」
と海里と固まっている寺坂に頭を下げて、扉を閉めた。
今のは、成田さんとの間接キスになってしまうような、と思ったのだが、海里には言わなかった。
さっき、
「でも、今思えば、あのとき、あまりを行かさなかったら、あまりは海里と出会ってなかったわけだよね」
そう言われて、思わず、想像してしまった。
海里さんの居ない今の自分と、この先の未来を――。
全然想像できないな、と思う。
出会ってまだ一週間も経ってはいないと思うのに、海里さんの居ない未来も今も想像できない。