あまりさんののっぴきならない事情
 始発の電車なので、まだ余裕がある。

 だが、海里が出てくるまで、あまりは売店の外で待っていた。

 ビニール袋を手に出て来た海里が、
「どうした。
 乗ってろと言ったろう」
と言ってくるが。

「いいえ。
 万が一、なにかで手間取って、海里さんが乗れなかったらいけないので」
とあまりは言った。

「乗り遅れるときも、迷子になるときも一緒です」
と言うと、海里が笑う。






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