あまりさんののっぴきならない事情
 





「いやあ、さっきお宅の会社の社員さんたち、乗せたんですよ。
 それで、今からいらっしゃることがわかりまして」
と運転しながら、安芸は笑っている。

 横であまりが可愛い赤ちゃんの写真を見て、へー、と嬉しそうだ。

「可愛いな」
「はいっ」

「……欲しくなっただろ」
「はいっ」

 ん? という顔をして、こちらを見る。

 だが、目をそらして、外を見た。

 じゃあ、子どもを作ろう、というのも、なんだかプロポーズとしてはあれだな、と思ったからだ。

 うーん。
 大体、いろいろ言い尽くしたしな。

 なにを言ったら、結婚までこぎつけるのか。

 せっかくの旅行なのに、海里は渋い顔で窓の外を見ていた。





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