あまりさんののっぴきならない事情
海里さんは、旅行、楽しくないのでしょうか。
安芸に写真を見せてもらい、子どもと妻の微笑ましいエピソードを聞きながら、あまりは海里の顔を窺う。
あんまり笑わず、渋い顔をしていたからだ。
どうしたんだろう? と心配になったあまりは、思わず、身を乗り出して見てしまっていたらしく、
「迫ってくるな」
と額を押し返されてしまった。
うーむ。
気になります。
途中、懐かしいあの空き地を通り、宿に着いたところで、
「料金は結構です」
と言う安芸と海里が押し問答をしていた。
海里とともに降りていたあまりは、宿を見上げる。