あまりさんののっぴきならない事情
「……好み、訊くべきでしたよね。
 自分、渡さなきゃって、そればかりが先走って、勝手に桜田さんのイメージに合わせて買ってしまいました」

「ああ、あれ、お前の好みで買ったんだったのか。
 いいじゃないか。
 すごく桜田に似合ってるし。

 本人、喜んでるから」

「でも……

 訊くべきでしたかね?」
と寺坂は顔を近づけ、訊いてくる。

 気のいい男だとはわかってはいるが、コソ泥が、
『明らかにマル暴な奴が居た』
と言ったほどのコワモテだ。

 ちょっと逃げ気味に返事をしてしまう。

「いや……いいんじゃないか? 別に。
 うん」
と意味もなく、肯定の言葉を並べ立ててしまった。




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