セツナイ.
こ、ここ、こ、ここここここ
これはチャンス?!?!
和那って、
和那って呼んでほしい〜!!!!
「クラスの子はみんな和那って呼んでくれてる…る、けど」
言った!言った!!
皐月くんはどんな反応だろう…
「あ、かんなって読むんだ。わかなかなって思ってた」
見てくれてる!
私の名前見てくれてたんだ!!
「あ、だから、克がかんかんって言ってたのか」
「あ、あれはちょっと嫌なんだけど…」
私は苦笑いしながら、落ちた本を小さな段に上って、棚に直した。
「なんで?」
「え…うーん、なんとなくかな〜」
「特に理由なしね」
皐月くんはまた笑った。
私は皐月くんが笑うたびに、手が止まり見つめてしまう。
「あ。もう5時か」
チャイムが鳴り、2人とも時計を見る。