午前0時、魔法が解けるまで。
「冬馬、言ってないの?」
「聞かれてねーし言う必要ねえだろ」
何か知られたくないことだったのか、逢坂くんはそう吐き捨てるように言って砂川さんを睨むように見た。
「冬馬、バンドやってるんだ」
「事務所っつっても預かりだし、まだインディーズだけどな」
――バンド。
確かに逢坂くんはアイドルというよりはそっちの路線の方がしっくりくる。
妙に納得した私は次に浮かんだ疑問を口にした。