午前0時、魔法が解けるまで。
空を見上げれば雲が白い小さな粒のようになりウロコのように並んでいる。薄着で出歩くには少し肌寒く感じる風が髪の毛を撫でるように吹いた。
瞬きをして正面に向き直れば、レンガ造りでモダンな雰囲気の建物があった。
アンティーク調の重厚な扉を前にして私はぽっかりと口を開けていた。
「FLOWER」と丁寧に木彫りされた看板、柱に絡みつく植物のツタに、小さな花が咲いている。
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