午前0時、魔法が解けるまで。







「ここって」


「俺のお気に入りの場所。」



少し後ろにいる砂川さんを振り返れば、彼は首をかしげてにっこり笑った。



大学から徒歩で数分。

広い通りから少し離れたこの場所は、平日の昼下がりという時間帯のせいもあるのか非常に人が少ない。



「カフェ……ですよね?」


「うん。仕事の打ち合わせでたまに使うんだ。プライベートでも落ち着きたいときによく来るよ」



なかなか一歩を踏み出さない私の肩に砂川さんの手が軽く置かれる。







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