午前0時、魔法が解けるまで。







逢坂くんはその後ろ姿に向かって盛大に舌打ちをして、行き場のない怒りを自分の髪の毛をガシガシとかき乱すことで消化したようだった。



「逢坂くん、講義は?」


「寝坊して遅れて行こうとしたらこんなんなってた。まあ、元々間に合うかわからなかったしな」




不器用だが、講義に出席できなかったことに関して私が気にすることはないと逢坂くんなりに気を遣ってくれているんだろう。


逢坂くんはじっと私の目を見つめたあと、おもむろに着ていたパーカーを脱いで私の顔に近づけた。







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