午前0時、魔法が解けるまで。






散り散りになった人の群れの中から現れたのは、つい先ほど私達が話題にしていた逢坂くんだった。



「さんきゅ」



逢坂くんは短くお礼を言って、私の姿を目にとめるなり悪さをした猫の首根っこを掴むように私の手首を掴んで引っ張った。



「お前、何でこうなったかわかってるな?」



意外にも逢坂くんは落ち着いていて、掴まれた手も乱暴さはなくむしろいたわるようでさえあった。






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