午前0時、魔法が解けるまで。






今思い返してみれば、砂川さんの時々見せる何かを懐かしむように私を見た時の表情も納得がいく。



「ごめんなさい」


「え?」



私のつぶやきに、母が首を傾げた。


小さい頃仲の良かった子と再会したかと思えば、自分のことはまるで覚えていなくて。

ようやく距離を詰めたかと思えば赤の他人のように扱われて、彼はどんな気持ちでいたのだろうか。


それでも諦めずに私に優しくしてくれたのは、どうして?






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