午前0時、魔法が解けるまで。






「砂川、さん……」



初めて会った時からなんとなく感じていた妙な安心感にも納得がいった。


別に恋愛事に関して適当な価値観を持っているわけでもないのに、なぜ彼にすんなり身をゆだねてしまったのか。



「どうしてずっと忘れていたんだろう……」



"君の知りたいことを全部教えてあげる"


私のことが好きなのか問いかけたときの、砂川さんの返事。


あれはきっと私の忘れていた記憶の全てを彼は知っていたから。

けれども、辛い記憶のことも含めて自分のことを覚えていない様子である私に昔のことを話すことに躊躇いを覚えたんだろう。






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