午前0時、魔法が解けるまで。
「ほら、それよこせ」
「え?はい」
差し出された手の上に缶コーヒーを乗せる。
意図がわからないまま従ってしまったが、逢坂くんは私の手から缶コーヒーを受け取って、代わりに緑茶を手渡してきた。
「え……あ、お金!」
「俺コーヒー買いに来ただけだから。交換でちょうどいいだろ」
これ以上食い下がってくるなと言わんばかりの口調に私は尻込みして、大人しくペットボトルを受け取ることにした。