午前0時、魔法が解けるまで。







「出会ったばかりの男にこんなに言い寄られて、怖い?」



私の忘れ物を持つ彼の指先が微かに触れて、私はビクリと身体を揺らした。

思わず引っ込めそうになった指先を忘れ物もろとも優しく握り込まれる。




「……こ、怖い、です」


「そう」





震える声で私が拒絶の言葉を告げても、彼は困ったように笑うだけだった。










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