楕円の恋。
『すごい感動したね!ラグビーハマりそう!』

圭子ちゃんはまだ興奮がさめてないようだった。

『うん。私少し泣いちゃった』

あかりちゃんは笑いながらハンカチで目頭を抑えていた。

私もサッカーの試合とは違う感じに体が熱くなっていた。

『整列!』

キャプテンの号令でラグビー部員が観客席の前に一列に整列した。

『応援ありがとうございました!!!』

ラグビー部員がお辞儀をする。

周りの観客が立ち上がって大きな拍手を始めたので、私達も立ち上がって大きな拍手をした。

そんな時だった。

影山君が顔を上げたときバッチリ目が合ってしまった。

私は急なことだったので、動揺してしまったが、笑顔で大きな拍手を送った。

すると、私に気付いた影山君は

ニッと笑って右手の拳を私に突き出してきた。

私はドキッとして、顔が赤くなるのがわかった。

圭子ちゃんはそんな私をみてニヤッと笑い、あかりちゃんはニコっと笑った。

私は恥ずかしくなって座って顔を手で隠した。
< 29 / 72 >

この作品をシェア

pagetop