楕円の恋。
『行けー!!私の影山く〜ん!!好き〜!!』

圭子ちゃんがいじってくる。

『そんな事は絶対言ってない!!』

私はパフェをスプーンで混ぜながら反論する。

私達は試合を見終わって、家の最寄駅のカフェでパフェを食べることにした。

『でも、影山君かっこよかったね。特に最後のグーパンチ。私まで好きになりそう』

圭子ちゃんがうっとりした表情で言う。

『べ、別に好きになっていいよ?』

私が笑顔で言うと、

『素直じゃないなぁ〜』

圭子ちゃんが頭をなでなでしてきた。

『でも、涼ちゃん。影山君ってライバル多そうだね。あのグーパンチされた時。他の女の子達から睨まれてたよ。ふふ。頑張って』

あかりちゃんがパフェを口に運びながらニコニコして言った。

『え、え〜っ!そんなんじゃないのに困るよ〜』

私はスプーンでパフェをつつきながら言った。

『もう、片桐先輩は吹っ切れたんじゃない?』

圭子ちゃんが笑って言う。

『う〜ん。ぶっちゃけわかんない。今日片桐先輩とちょっと話したけどやっぱかっこいいと思ったし』

私はグラスの氷をストローでクルクル回した。

『でも、もう、私の心には影山君だけなの。片桐先輩ごめんなさい。』

圭子ちゃんが真剣な表情で言った。

『ちょっと圭子ちゃん!私そんな事言わないよ!』

圭子ちゃんとあかりちゃんは2人で笑っていた。

『でも、影山君も涼ちゃんの事好きかもね』

あかりちゃんがニコニコして言った。

『あかりちゃんもそう思う?実は私もそう思ってたんだ。だって嫌いな女の子にあのグーパンチは無いよね』

圭子ちゃんが便乗して言う。

『ちょっと待って!あかりちゃん!《影山君も》!《も》!《も》ってところが気になる!私は好きかどうかわからないよ!』

私は眉をひそめて言った。

あかりちゃんは無言でニコニコしている。

ばかぁ。そんな事言われたら。影山君の事意識しちゃうじゃん。

私は恥ずかしくなって耳を塞いだ。

私。影山君の事好きなのかなぁ。

確かに話をしてて楽しいけど。

ただ、片桐先輩とは違う感情だと思った。
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