楕円の恋。

お昼休み。私達はいつものゴールデンシートでお弁当を食べていた。

いつも通りくだらない話で笑いあっていた。

お昼休みが中盤に差し掛かった頃、私はちょっと申し訳なさそうに口を開いた。

『あかりちゃんあのね。うちの先輩があかりちゃんに一目惚れしたから、連絡先教えて欲しいって言ってるんだけど？どうかな？』

あかりちゃんはいきなりの事でびっくりしていた。

『えっ？えっ？私？』

『そう。あかりちゃん。嫌なら断っとくけど、、、』

あかりちゃんはう〜んとした表情で悩んでいた。

暫くしてパッと笑顔になって

『片桐先輩じゃなかったらいいよ。涼ちゃんの事好きだから。涼ちゃんが好きな人とは私無理だから。』

『あかりちゃん〜』

私は椅子から立ち上がり、あかりちゃんに抱きついた。

『あかりちゃん〜』

圭子ちゃんもなぜかわからずあかりちゃんに抱きついていた。

『ちょっと、涼ちゃん！圭子ちゃん！やめて〜痛いよ〜』

あかりちゃんは口では嫌がっていたが、顔は笑っていた。

『で、あかりちゃんの王子様は誰なのかな？』

圭子ちゃんが椅子に座り腕を組んでニヤニヤして言った。

『聞きたい？聞きたい？』

私も椅子に座って腕を組んでニヤニヤして言った。

『もう！2人とも顔！』

あかりちゃんは恥ずかしそうに少しうつむき加減で言った。

『その人は、、、うちのキャプテンの田中先輩！』

私はドンと机を叩いて言った。

『えっ？田中先輩なの？確かに顔はちょーかっこいいけど、、、』

圭子ちゃんが少し引き気味に言った。

『色々噂があるからね。でも、あかりちゃんを泣かす真似したら私メッタ刺しするって言ってある。片桐先輩も監視してくれるって言ってくれてるし。やっぱりやめとこっか？』

『ううん。いいよ。付き合うわけじゃないんだし。田中先輩かっこいいし。ああいうタイプの人お友達になったら楽しそう』

あかりちゃんはニコニコして即答してくれた。

『涼ちゃん！田中先輩があかりちゃんの事泣かせたら、私もボコボコにさせて！』

『もちろん！私のメッタ刺しの後思う存分ボコボコにして！』

『もう、2人とも気が早いよぉ〜』

3人で大笑いをした。