そのキスで、忘れさせて
急展開で何がなんだか分からない。
誠にふられて、見知らぬ男と付き合うことになった。
しかも、いまだにその男の顔をはっきり見ていない。
もしかしたら、すごく不細工かもしれないのに。
生理的に受け付けないほどに。
今まで現実を見据えてきた……一夜限りの夜など、冒険をしたことのないあたしにはあり得ない展開だった。
ただ一つ確かなこと。
それは、彼と交換したラインに表示された彼の名前、『ハルキ』だけだった。
あたしには想像もつかなかった。
この『ハルキ』が、どんな人物なのか。