そのキスで、忘れさせて




それでも遥希は折れなくて、



「じゃ、クローゼットの中から見てるから」



訳の分からないことを言い始める。




「襲われそうになったら、ドロップキックをかましてやる」





どこまで本気なんだろう。

だけど、遥希ならやりかねない気がした。

そんな遥希に言ってやる。





「誠は襲ったりしない。

あんたとは違う!」



「そうかな。浮気するような奴だぞ?」





その言葉が、やっぱりあたしの胸を刺した。


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