肉食御曹司に迫られて
「相手のことを知らない代わりに、俺のことも向こうは知らない。たぶん、よくて普通のサラリーマン程度だと思ってる。初め声をかけたのは、あの江ノ島の時で、軽い気持ちでナンパしたし。」

「あー、あの時の忘れ物の子!あれが、続いたのか⁉︎むしろ、すごいな。」
晃は感心したように言った。

「とりあえず、親父と話をしないと。」
湊はため息をついた。
「そうしないと、前に進めない。」

「親父さんとの…約束か。」
晃も知っているだけに、どう、声をかけるべきか、わからなかった。
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