肉食御曹司に迫られて
好きな音楽や、趣味、他愛もない話がとても楽しかった。
湊は初めての感覚に時間を忘れて、話していることに気づいた。

(― しまった、迎えが必要か運転手に連絡してない!)
23時32分…
時計を見ていることに気づいたのか、
「あっ!電車ないんじゃない?お酒飲んでるし、車じゃないでしょ?家はこの辺?」
奈々は少し慌てたように言った。

「いや…家は東京…」
少し、気まずく小さな声で言った湊に対し、奈々は
「そうなんだ!じゃあ、送るよ。うちも東京だし。」
簡単に言った奈々にいいのか?!と内心驚きつつも、

「ありがとう、一本だけ電話してからでいい?」
と湊は言って離れて運転手に電話をかけた。
< 39 / 191 >

この作品をシェア

pagetop