キミの瞳に







そんな俺を見て春は一気に元気が無くなったように見える。






咄嗟に、違うんだと言おうとした俺よりも先に春が口を開いた。






「ねぇ…朝木君…。」





大切な人とか言っといて何が違うだよ…。




自分自身に語りかける。






春は今にも泣き出しそうな顔で…





「どうして私と付き合ったの?」





普段の温厚な春からは聞いてこないようなことを聞いてきた。





俺が返事をする間もなく…







「私……っ…



朝木君から…好きって……言ってもらえたことないよ……っ…」






そう言ってポロポロと涙が春の目から溢れ出した。






俺………何やってんだろ………。






こんなに優しくて純粋な春を泣かせてしまった。







春に手を伸ばしたけど…







パシッ…






振り払われてしまった。










< 122 / 165 >

この作品をシェア

pagetop