キミの瞳に
「春と学校で会って名前を聞いて仲良くなりたいと思った。
正直…はるっていう名前が呼べるなら誰でもいいと思った…。」
だから春が俺に好意があるんだって気付いた時いい子そうだしこの子ならいっか、そんな簡単な気持ちだった。
なにも深く考えた事もなかったし、春が俺を好きならそれでいいと思ってた。
「元々春が昨日見た人と俺は付き合ってたんだけど俺が振られていまでも忘れられない…。
ごめん……
俺の1番は春じゃない」
そう思ってたのに…
今は春がこんな俺に対してどう思ってるのか、そんなことばかり気になって仕方ない。
もう一度…
あの真っ赤に頬を染めて照れたような顔で俺を見つめる春を見たいと思ってしまった俺は結局自分勝手で最悪なやつだ。
「でも…っ…「…っはなして…」」
最初はそうだったけど今は違うとそう言いたかった。
「離してよ…っ…!」
春は力を込めて俺を引き離す。
「あ…あさ、ぎく…なんて…
だい…きらい…っ…!!」
春は声を張り上げて俺に向かってそう言うとその場から走り去ってしまった。
「春っ!!」
俺が名前を呼んでも春は振り返らなかった。