キミの瞳に

走り疲れたのかゆっくりと歩く春の姿。







「はぁっ…はぁっ………ぅー…っ…」






荒くなる息の音。




泣いてる声。






そんな声を聞いてギュッと胸が締め付けられる。






足の速度を緩めた時ゆっくりと春が後ろを振り返る。






「っ…」






何故か俺は曲がり角に隠れてしまった。





なんでこんな時に隠れてんだよ…っ…





そう思ってもう一度春の元へ向かおうとした時…






「っく……こんなに…好きなのに…っ…


朝木君に……大嫌いって言っちゃった…」





泣きながら1人で呟く春。



涙を腕で擦る姿が目に映る。






「…………。」






どうして春は…





こんな状況になってもそんなことを気にしてしまうんだろう。






普通ならそう思われてもおかしくないことをしてしまったのに…