キミの瞳に
「…っ…な、に……?」
急に俺が手を掴んだからか春はとても驚いた様子。
ただ手首を掴んだだけでそんな反応するのか…。
「なにもないよ」
そうは言ったけどモヤモヤしかしない。
あいつが春を抱えた時は大人しくしてたのに…
なんて考えていれば春は俺の手をどかそうとする。
離さないようにグッと力を込めて…
「触られるのも嫌になった?」
そう呟けば春が動揺するのが目に見えてわかったけど…
「……や…やだ…。」
そんな否定の言葉を言われてズキッと胸が痛んだ。
「そっか…ごめんね」
俺は掴んでいた春の手首を離した。
「………私のことは気にしなくていいよ…
きっと朝木君の事だから罪悪感感じてるとかなんだと思うし…
それに…こうやって気にかけてもらっても前に進めない気がするから」
そんな言葉を俺に向けて言えば春は軽く笑う。