キミの瞳に
「ほら!早く食べよう〜」
聖夜君の言葉に頷いてパンケーキを食べ始める。
口の中に広がる甘い味。
久しぶりに食べたけどやっぱり美味しい。
「美味しいね」
聖夜君に向かってそう言えば聖夜君も頷いて…
「うまい!
一緒についてきてよかったわ!」
そんなことを言ってくれた。
なんとなく聖夜君は人懐っこい犬みたい。
こんなことはさすがに言えないけど…
やっぱり人は見かけには寄らないんだなと実感する。
見かけには寄らないけどきっと自分からは話しかけることなんてなかったんだろうな。
黙々とパンケーキを頬張る聖夜君を見ながらそんなことを思う。
美味しそうに食べる聖夜君が少し微笑ましい。
緩む口元を見られないように私もパンケーキを口に入れた。
その時…
「ん…?
あれ…春、あそこにいるのって…」
ふと窓の外を見た聖夜君が私に声をかける。