失礼男の攻略法



「千秋先生!聞いてます?千秋先生!!」

「あ、ごめん。なんだっけ?」


あー、やばい。

最近、ふとした瞬間に失礼男の顔が頭に浮かんでぼーっとしてしまう時がある。

あれから数週間経ったけど、ラウンジからも足は遠のいたし、そのせいもあって失礼男には一度も会えていない。


「SMHさんの書類、OKでまわしちゃっていいんですか?」

目の前に書類の束をヒラヒラされて、ようやく美希ちゃんと目を合わせると、ちょっとあきれ顔の美希ちゃん。

「もー、先生、最近ぼーっとしてること多いですよ。もう三十路なんですから、身体過信しちゃダメですよ」

「いやいや、まだ29だし」

ありきたりな返しをしながら、書類の内容を思い出す。
< 114 / 225 >

この作品をシェア

pagetop