失礼男の攻略法
こういう押しの強さは、狸親父の血縁だなって思ってしまう。ここは無駄なパワーは使わずに、とりあえず従うしかないと諦めて
「わかりました。すぐに片付けます」
明日の朝続きをやろうと、途中になってしまった調べものをデスクの上に積み重ねた。
そしてやってきたのは以前も連れてきてもらったジャズバー。
「お腹すいてる?ここピザも結構おいしいんだよね」
メニューを渡してくれながら、そう話す直樹さん。だけど何を考えてるかわからない人と食事を愉しめる気もしなくって
「いえ、そんなにお腹すいてないんです」
首を横に振ると
「そっか。じゃあ、適当に頼んじゃうね。ドリンクは、マンハッタンでいい?」
さらっと、そう言われて苦笑いが漏れてしまう。
一度一緒に飲んだだけで何を頼んだか覚えてるなんて、やっぱり相当デート慣れしてるんだなって。すると
「あれ、違うのがよかった?」
自分の記憶に自信があるのか、そう聞いてくる。
「いえ、大丈夫です」
そう答えると、早速店員さんにオーダーをした。