失礼男の攻略法
こういうのに純粋に喜べないのが私のかわいくないところなんだろうなって、まだ演奏の始まらないステージを眺めながら思っていると
「もうちょっとで始まるよ」
腕にはめた時計を見て教えてくれる直樹さん。
そして運ばれてきたドリンクとナッツを渡してくれる仕草も様になっていて、やっぱりスマートだよねって思う。
軽く乾杯をしても、どういう意図があって、今日誘われたのかがわからないので、私からは何も言えない。すると、そんな私の気持ちも察したのか
「千秋ちゃん、全然連絡くれないんだもん」
ようやく話してくれたけど、ちょっといじけたような口ぶりにびっくりする。別に、そんな感じじゃなかったよねって。
「こっち帰って来る時、飲んでよって言ったのに」
「あれ、そうでしたっけ?」
すっとぼけてみると
「連れないねー」
って、じっと見られてしまう。