失礼男の攻略法

だけど、もう忘れないといけない。

あの極上の姿を打ち消すように首をフルフルふっていると

「相手がいるなら無理にとは言わないけど。だけど、大丈夫なやつなの?なかなか千秋の事情含めて理解して、その上でいいって言ってくれるのなんて、いないだろ」

ゆっくりと頭を撫でながら、言い聞かせるように言われてしまった。

でも、お兄ちゃんの言葉は確かにその通りで。これから、そんな貴重な人現れることなんてない気もする。ましてや、この前悟ったところだ。

ほんとに淋しくなったらお見合いでも頼もうかなって。そしたら別に、今のタイミングでもいい気すらしてしまう。

「どうしたらいいんだろ」

途方にくれたようにつぶやくと

「ゆっくり考えていいって言ってくれてるんだろ?焦らずに、じっくり考えたら?」

優しい言葉をかけてくれる。お兄ちゃんは絶妙に私を甘やかすのがうまいのだ。こうやって弱ってる時は、いつもみたいに責め立てずに一歩引いて見守ってくれる。

その存在をありがたく思いながら、じっと目をつむった。

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