失礼男の攻略法
この狸親父が!と心の中で罵りながら
「いえ、申し訳ありません。で、今日は?」
白々しく、所長の隣に座る男性に目を向けると
「あぁ、これがわしの甥っ子なんじゃよ。たまたま帰国しとるから、一緒に食事でもと思って」
所長も所長で白々しいセリフを返してくる。
なにが「たまたま」だよ、とツッコミたいところを抑えて
「そうなんですね。初めまして、所長の下で働かせていただいております、西田と申します」
男性に向かって自己紹介をした。すると、それまで座っていた男性がおもむろに立ち上がる。
びっくりして視線をむけると、思ったよりも背が高くて見上げてしまう。平均よりも背が低めの私としては、うらやましくなる背の高さ。
さっきまでの仏頂面じゃなくって、柔和な笑みを浮かべた顔は、決してイケメンとは言えないけど、嫌いだって言う人は少ないんじゃないかと思う。確かもうすぐ40才とか言ってたはず。年齢相応の落ち着きと自信が、素材以上に魅力的にみせてるんだろう。